第183章 誰のため?⦅虎杖、宿儺⦆
「それじゃ、みんな頑張ってね♪」
帳を降ろし始める五条の隣には なな 。
『みんな気をつけてね』
「おう!」
「任しときなさい♪」
「行ってくる」
虎杖、釘崎、伏黒、それぞれ なな に返事をし、帳の中に入って行った。
☆ ☆ ☆
今回、1年生で任務が入った。
実際は五条に来た任務だったのかもしれないが、「課外活動だよ」と五条に誘われ、向かった先に呪霊の気配を感じた。
「また騙されたァ!!」
「嘘つきー!」
「…………」
頭を抱え絶叫する虎杖に、五条を指さしキレる釘崎。
はぁ、と大きなため息をついて五条を見る伏黒。
「大丈夫♪ 居るのは低級ばかりだから♪
1人20体くらい祓えば楽勝だよ♪」
ブイサインする五条は なな の方を向いて続けた。
「ちなみに、なな は帳の中に入っちゃダメだからね」
『…はい』
やっぱりか、と思い しゅん とする なな に虎杖が声をかけた。
「落ち込む事ねェって♪ 反転術式使って他の人治すのって大変なんだろ?
大事な人材なんだし、俺たちが怪我したら治してくれよな♪」
『うん』
そう言い、なな は帳の中に入って行く同級生の後ろ姿を見送った。
☆ ☆ ☆
無事に帰ってきた同級生たちだったが、やはり呪霊の数が多かったようだ。軽症だが擦り傷が目立った。
『今 治すね』
それぞれ なな の治療を受け、五条の奢りで食事を済ませて寮に戻った。
寮に戻ると釘崎が なな を部屋に呼んだ。