第180章 呪縛を解いて⦅伏黒⦆
第一印象や その人のイメージと言うのは常に付いて回る。
本当の性格を知らないままに、イメージで固められてしまうと【本当の自分】が分からなくなるー。
☆ ☆ ☆
[ なな はこうでしょ? ]
[ なな はクールだもんね ]
[ なな に任せておけば大丈夫 ]
周りが勝手に私のイメージを固め、それに従わせる。
元カレとケンカした時もそうだった。
些細な事でケンカし、言いたい事を言いながら泣いていた。
[ 何で泣くんだよ。はぁ…、泣けば済むと思ってんの? ]
ため息交じりでそう言われ、ケンカした心の痛みでは無い別の痛みが私のココロをズキンと痛めた。
[ なな はもっと大人だと思って付き合ったのに、全然違うじゃん ]
目の前から色が消え、まるで暗闇に居るかのように感じ、カレのコトバも耳に入らなかった。
結局、そのカレとはケンカ別れし私は【自分のイメージ】を崩さないように振る舞い、中学を卒業した。
高専に入学したのは誰も知り合いの居ない高校に入りたかったから。
強い術式があるわけではないが、家系のおかげで呪霊を目視する能力はあったため高専に入学できた。
そこで伏黒くんや虎杖くん、野薔薇に出会う事ができた。