第179章 大きな子ども⦅五条⦆
任務の無い休日。
五条の部屋で なな と テレビを見ながら のんびりくつろいでいると、五条のスマホが着信を告げた。
「……………」
画面を見てスマホを戻す五条に、『出なきゃダメだよ』と なな は諭した。
「ぇ~…、だって伊地知からだよ。絶対任務の話じゃん。ヤダ」
子どものように駄々をこねる五条のスマホを取り、なな が電話に出た。
『はい、五条のケータイです』
「え? あれ、なな さん?
あの、五条さんは??」
混乱する伊地知に、『悟は隣にいます』と伝え『どうしたんですか?』と聞いた。
「五条さんに任務が入って…」
電話の内容を隣で聞いていた五条は「ほらぁ!」と大きな声を出した。
「伊地知からの電話なんて出なきゃ良かったのにィ!
僕に休暇とかないの? それ緊急なわけ? ヤダぁ! 行きたくない!
今日は なな と ゆっくり過ごすの!」
ヤダヤダ、と言う五条を無視し、なな は伊地知から任務の内容を聞いた。
『分かりました。準備させます。
はい。はい。では失礼します』
電話を切って、なな は五条の方を向いた。
『悟、任務だよ。内容的には1級レベルかな』
「…………」
拗ねた子どものようにクッションに顔を埋める五条。
『術師は万年人手不足なのは悟も知ってるでしょ?』
「…なんで僕ばっかり」
『(まぁ上層部の嫌がらせだろうけど)
私も一緒に任務に出るから』
なな も一緒に任務に行くと聞き、五条は表情を明るくした。
「ホント?」