第178章 ハグの日⦅五条⦆
「 なな ♪」
ご機嫌な恋人の声とともに突然後ろから抱き締められた。
ぎゅーーっ♡
反応のない恋人に五条は「 なな ?」と顔を覗き込んだ。
『…苦しぃ』
ゲンナリとしながら なな は答えた。
「 なな から早く離れなさいよ!」
「…ここ教室ですよ。仮にも教師ならTPOくらい わきまえたらどうですか」
「センセー、なな の事 大好きなんだね♪」
1年生'sの反応に五条は にこにこ しながら聞き流した。
「みんな、今日は何の日か知ってる?」
まだ なな に抱きつきながら五条は3人に聞いた。
「8月7日なら私の誕生日よ♪
私にプレゼントをくれてもいいわ♪」
「オメデトー野薔薇。でも今日は8月9日だよ」
若干棒読みで五条は釘崎に お祝いの言葉を送った。
「ん~、何だろう」
悩む虎杖。
「恵は? 分かった?」
五条の問いかけに伏黒は首を左右に振った。
「今日は ハグの日 でぇす♡
だから僕は なな に たくさんハグしていい日なの♪」
答えを伝えながら、五条は なな に頬ずりした。
「 なな も僕にたくさんハグしてくれて良いんだよ♪」
よしよし、と なな の頭を撫でながら五条は言った。
『イヤ…普通に恥ずかしいから離れて…』
少し頬を染めて なな が答えると、五条は「仕方ないなぁ」と渋々 なな から離れた。
「あ! 夜蛾学長に呼び出されてたの忘れてた」
「今度は何しでかしたんですか」
ため息交じりに伏黒が聞くと、五条は「森林破壊」と笑った。