第172章 愛でる⦅五条ver⦆
『無いっ! ………無いッ!』
冷蔵庫を開け、あちこち何かを探す なな 。
『悟、プリン食べたでしょ……』
ソファで長い脚を組みながらスマホをいじっている五条を睨む なな に、五条は てへ♪ と舌を出した。
「2つあったから、1つ食べちゃった♪」
『悟のバカ……。
悟と一緒に食べようと思って2つ買っておいたのに…』
しゅん とする なな を見て、五条は「ごめんね」と謝ってから、「ちょっと待ってて」と言い立ち上がった。
数分後-。
「お待たせ♪」
なな の目の前には、買っておいたビッグプッチンプリンのてっぺんにクリームとさくらんぼが乗り、バニラとチョコのアイスがトッピングされていた。
『…………!』
ぱあぁぁ、と目を輝かせる なな を見て五条は優しく微笑んだ。
「悟スペシャルパフェだよ♪」
コーヒー持ってくるね、と言いキッチンへ戻る五条の背中に向かって、なな は『悟、ありがとう♪』と笑った。
コトッ、とコーヒーを置いた五条は まだ手付かずのパフェを見て「食べないの?」と聞いた。
『一緒に食べよ♪
これ全部、悟が好きなものだし♪』
ニコッと笑って 掬ったプリンを差し出す なな に、五条は頷いてから それをパクッと口に入れた。
『今度からは ちゃんと一緒に食べようね?』
「うん♪」
甘い物が大好きな五条だが、なな に甘やかされるのも大好きなようで、返事をする姿は まるで大型犬のようだ。
*おわり*