第160章 声⦅現パロ 宿儺・虎杖双子設定⦆
人の声というのは年齢とともに変化する。
それは女性でも男性でも同じ。
幼い時から虎杖兄弟の近くに居た なな は、2人の成長を間近で見てきた。
幼少期ならではの幼い声から思春期の声変わり。
悠仁は宿儺よりも少しだけ声が高く、人懐っこさが際立つ声に変わり、宿儺は低く落ち着いた声になり、双子の個性は明らかに対照的になった。
☆ ☆ ☆
ある日、3人で虎杖家でテスト対策の勉強をしていると、集中力が切れた悠仁が「ぁ"ー…疲れたぁ」と伸びをした。
『少し休憩しよっか』
それぞれペンを置いて休憩する。
「おい、麦茶」
宿儺は悠仁にそう言うと、悠仁は「えぇ…」と少しだけ面倒くさそうに返事をした。
「自分で行けばいいじゃん」
「ぁ"?」
眉間の皺を深くし、悠仁を睨むと「ったく、仕方ないなぁ」と悠仁は渋々台所へ向かった。
そんな2人の様子を なな は黙って見ていると、それに気づいた宿儺が「なんだ?」と声をかけた。
『いつの間にか2人とも男の人の声になったねぇ。
昔の声も可愛かったよ♪』
「急に何を言ってるんだ…」
宿儺は呆れたように ため息をついたかと思うと、「そうだなぁ」とニヤリと笑って なな との距離を詰めた。
「俺も悠仁も しっかり "男" になったわけだ。
なな が "女" になったか魅せてみろ」
耳に心地よい低音で なな の耳元でそう囁くと、なな は『な"っ/// ぇ? は?///』と顔を真っ赤にした。
バッ、と宿儺から逃げるように距離を広げたなな に、宿儺はクックッと喉を鳴らしながら口元を隠して笑っていた。