第156章 浮わついた気持ち⦅五条⦆
『惚れた弱みってヤツかな。
馬鹿だよね、何度も傷ついたのに結局 悟から離れたくないって思っちゃうなんて…………』
今度は泣きながら笑ってる。
なな にこんな表情をさせてる自分が情けなくて、本当に馬鹿な事を繰り返したと痛感した。
なな は流れ出した涙を止める事ができずに、頬を伝う涙を指で拭った。
「なな 、今度は泣かさないからね」
なな は静かに頷いた。
翌日、いつも通り1年生教室へ行けば野薔薇は「ふぅん」と言い、恵は「…良かったですね」と言ってくれた。
「センセー、顔色良くなったね!
何が どぅなったのか分からんけど、良かったね!」
「なな さんに感謝しなさいよ?」
「もし また なな さんの事、傷つけたら もうフォローしませんからね」
「ありがとーみんな♪
僕って幸せ者だったんだね♪」
自分でも分かりやすいくらい御機嫌だ。
また なな が隣に居てくれる。
もう なな の事を傷つけないよ。約束したからね。
***おわり***