第148章 雨⦅伏黒⦆
雨はキライ。
辺りは暗し、気持ちも滅入る。
高専に来て なな は自分と同じように呪いが視える仲間が3人も出来た。
呪いは視えないフリをしても なな に纏わりついてきて、その度 呪いを祓っていたら周りから孤立していた。
だが、高専は違う。
みんな視える人で、ソレを祓うために来ている。
それだけで なな の心は救われた。
「お~す」
元気に虎杖が教室に入り、その後ろを伏黒が入って来た。
「おはよう」
伏黒はクールな感じだが仲間想いで式神の玉犬たちは もふもふ していて可愛い。
それぞれ席に着き、ホームルームが始まるまで自由に過ごしていた。
ガラッ、と扉が開くとスーツ姿でメガネをかけた細身の男性が入ってきた。
「皆さん はじめまして。
補助監督の伊地知と申します。
五条さんが遠方任務で不在ですが、緊急で任務が入りました」
カチ、とメガネを押し上げて伊地知と名乗った男性は続けた。
「これから任務の説明をします…………」
☆ ☆ ☆
伊地知の運転する車で少年院に来た なな たちは、院内に入って行った。
呪霊の影響で建物の構造が変わり、入ってきた入り口も無くなっている状況に虎杖と釘崎はテンパり過ぎて おかしくなったのか踊り出した。
『何やってんの2人共』
苦笑しながら話をし、奥に進んでいく。
見るも無惨な塊が2つ確認され、視線を外す なな に、言い争いを始める虎杖と伏黒。
そんな2人に声をかけた釘崎は ずるっ と床に吸収された。