第11章 嫉妬⦅宿儺ver⦆
千年も昔、呪いが はびこっていた時代。
両面宿儺は存在した。
その存在は災害と言われ、人々の恐怖を煽り、宿儺の力を強くしていた。
しかし、そんな宿儺にも ただ1つ 弱点があった。
☆ ☆ ☆
宿「なな、どこに居る?」
屋敷の中を歩きながら、なな の名を呼ぶ。
『宿儺さま??』
買い物から帰ってきたのか、玄関の方から声がした。
宿「どこに行っておったのだ」
なな の持つ籠を受け取りながら、聞いた。
『町まで山菜と魚を交換してきました』
宿儺と なな がひっそり暮らす場所は山奥だ。
そのため山菜は豊富で、肉は宿儺が野生の動物を狩って来ていたため困る事はない。
ただ、魚が手に入らず こうして たまに なな が町まで出掛ける事があった。
宿「1人で出掛けるな。呪術師どもが狙っているかも知れぬ」
『分かりました。今度は一緒に出掛けましょうね』
なな は、ニコニコと答えた。
☆ ☆ ☆
しばらくし、また なな が町まで出掛ける事になった。
『宿儺さま、明日は町に魚を貰いに行きませんか??』
宿「わかった。準備しておこう」
翌日。
山菜を籠に入れ、町に行く用意ができた なな は宿儺に声をかけた。
『宿儺さま? 準備はできましたか??』
そう声をかけながら、⦅そうは言っても、4本の腕と2つの顔はどうやって隠すのだろうか??⦆と疑問に思っていた。
宿「待たせたな。行こう」
宿儺はいつもの着物だが、腕は2本、顔は1つ、顔から全身に入っている入れ墨のような模様が見当たらない。