第142章 味覚は似る？⦅五条⦆

「毎年ちゃ～んと健康診断受けてるけど、血糖値は正常だよ♪」

糖分全部脳に吸収されてるのか？と思いながら なな は『ふ～ん』と話を聞いていた。


それから五条との生活が長くなれば長くなるほど、なな の感覚も麻痺していた。


「なな さん、新しいケーキ屋さん出来たから行ってみよー！」

釘崎に誘われ、2人で出掛けた時の事。
飲み物が届いた なな はテーブルにあったスティックシュガーに手を伸ばし、サー… とコーヒーの中に入れた。

「？！ なな さん、今まで飲み物に砂糖入れてたっけ？！」

驚く釘崎に なな は苦笑しながら言った。

『悟と同棲するようになってから甘味の感覚ブレ始めたんだよね。
悟が用意してくれるコーヒーって いつも激甘だからさ、甘さに馴れちゃった』

「…まぁ、五条先生なんでも砂糖入れるし おかしくもなると思うけど」

胃 もたれない？と釘崎に言われたが、なな は慣れたようにケーキとコーヒーを口にした。

『大丈夫』

「そぅ…、体壊さないようにね」

なな の体を心配する釘崎であった。


＊＊＊おわり＊＊＊