第10章 守ってあげる⦅虎杖悠仁⦆
家入が解剖の準備を始め、なな に声をかけようと振り返ると、五条と伊地知、そして なな が驚いたような、嬉しいような、不思議な表情で家入の後ろを指差していた。
五「おかえり♪」
虎「おぅ♪」
パン、とハイタッチする虎杖に、なな は抱き付いていた。
『良かったよぉー』
家「とりあえず何か着るもの…」
虎「なな は 泣き虫だな」
なな を抱きしめ、なな の頭を優しく ポンポン する虎杖。
五「良かった、良かった♪
今はとりあえず、若い人だけにしてあげようね♪」
そう言って、伊地知の腕を引っ張りながら家入とともに部屋を出た。
『死んじゃったと思ってた』
泣きながら虎杖に話す なな。
虎「心配させて ゴメンな。でも、今回の件でハッキリした事がある。
…俺は弱い。死に際も選べない。伏黒や釘崎、それに なな まで危険にさらした。
宿儺の指を全部取り込んだら今度は死刑が待ってる…」
くっついている なな の体を優しく離し、流れ落ちている涙を親指で拭き取る。
虎「なな……、俺、お前の事が好きだ」
真っ直ぐ、偽りの無い虎杖の告白に なな は顔を赤くした。
虎「…まだ弱いけど、絶対強くなるから。なな を守れるくらい強くなる!
…なな は、俺の事どう思ってる?」
『……好き』
虎杖を見つめ、恥ずかしそうに なな は微笑んだ。
*おわり*
*おまけ*
宿「…小僧、せめて何か履いている状態で告白するべきだろう…」