第132章 癒されたい⦅宿儺⦆
「なな には 敵わんな。
生涯離れる事は許さんぞ?
俺か なな 、どちらかが先に逝く事になっても また生まれ変わって 離さぬからな」
宿儺は なな を抱き締めたまま目を閉じ、優しい声色でそう言った。
『えぇ。私も離しません。
どちらかが先に逝く事もありません。宿儺さまに何かあれば私も この命 絶ちますもの』
宿儺の胸板に耳をあて、宿儺の鼓動を聴きながら笑った。
『宿儺さまの鼓動を聴くと安心します』
「俺も なな とこうしている時間が とても幸せだ」
自分ではない他者の血で汚れた着物で抱き締め合う2人を月明かりだけが静かに見守った。
***おわり***