第126章 疲れた脳には⦅五条⦆
「じゃ、僕たちこれからデートだからまたね~♪」
『え? この子たちは?』
良いの良いの♪、と言いながら なな の手を引っ張って店から出て行った2人の後ろ姿を見送りながら、虎杖が口を開いた。
「…恋人にGPSつけるのって流行ってるの?」
「流行ってるわけないだろ、あの人いつか犯罪者になるな…」
「同感…、なな さん大丈夫かしら」
* * *
『眉間に皺寄ってるよ』
そう言って、机にレモン味のアメ玉を置いて微笑む なな 。
俺は眉間に皺を寄せたままアメ玉を見ていると、なな はポケットから もう1つアメ玉を取り出して自分の口へ入れた。
『イライラしてる時は甘いのがイイんだって♪』
コロコロとアメを転がしながら なな は言った。
ペリ…、なな につられてアメ玉を口に入れるとレモンの風味が口の中に広がった。
なな のふんわりした雰囲気のおかげなのか、アメ玉のおかげなのかイライラしていた気分は いつの間にか落ち着いていた。
その日から なな は五条の眉間に皺があると決まってアメ玉を渡した。
そして いつの間にか五条も なな に甘えるように手を伸ばしてアメ玉を催促するようになっていた。
甘~い 甘いアメ玉は 君が僕にくれたもの
いつしか甘さは麻薬のように量が増え僕のココロを満たしてく
なな の優しさも甘さも全部僕だけのもの
なな 、これからもずっと一緒だよ
***おわり***