第120章 一緒に歩こう⦅宿儺 現パロ⦆
宿儺と初めて逢ったのは高校に入学してからだった。
もともと虎杖兄弟は有名で、ピンク色の髪をしているため2人とも とても目立った。
双子だけあり、パッと見では見分けがつかないが、あえて見分るとしたら表情だろうか。
兄の宿儺は いつも眉間に皺を寄せて怖い顔をしており、弟の悠仁は反対に いつもニコニコしている。
そんな何の接点も無かった宿儺と交流を持つようになったのは、ちょっとしたきっかけからだった。
たまたま虎杖兄弟と家が同じ方向だったようで、いつものように学校から帰っていると少し前をピンク色の髪の毛が歩いていた。
⦅ 悠仁くんかな?
宿儺くんって事もあり得る…。
後ろ姿じゃ分かんないなぁ……… ⦆
離れていたため どちらかなんて気にせずに居ると、ピンク頭は急に振り返って舌打ちをした。
「ッチ。貴様、さっきから俺の後をつけて何のつもりだ!」
いきなりギロリと睨まれ、よく分からない理由で怒鳴り付けられた なな はとっさに『ごめんなさい』と答えていた。
「ったく、ストーカーか」
よ、と続けようとした宿儺はギョッとした。
なな は唇を ぎゅっと噛み、涙が落ちないようにして下を向いていた。
『私…、家がこっちなだけで……
別に宿儺くんの後をついてきたワケじゃ…………』
無い。と答えようとした なな はストーカーに間違えられた事や急に怒鳴られた事に堪えられず、 ぽろぽろ と声を抑えて大きな涙を落とした。