第115章 熱いのがお好き?⦅宿儺 現パロ⦆
『宿儺も1口飲む?』
「……」
ぽかん、としている宿儺に なな は『あ』と小さな声を出した。
『宿儺は甘いの苦手だったっけ』
差し出したペットボトルを戻そうとする なな の手を掴んで、宿儺は ケヒ と笑った。
「1口もらおうか。味見と言うやつだ」
そう言い、ごくん、と喉仏が動いたかと思うと、宿儺は親指で口角を拭いながら「甘いな…」と言って続けた。
「なな がこんなに積極的だったとは思わなんだ」
『?』
宿儺の言葉の意味が分からない なな が首を傾げると、宿儺は意地悪く笑った。
「間接キス、と言うやつだ。
まさか なな から強要してくるとは思わなかったがな」
『間接キス?!//』
なな は野薔薇に飲み物やお菓子を1口味見させてもらう感覚で宿儺にもペットボトルを差し出していたため、自身の行動が間接キスに繋がると思っていなかった。
そのため耳まで赤くして宿儺の言葉を繰り返したのだ。
「良い良い。照れるな、なな 」
宿儺は ポンポン と なな の頭を優しく撫でて
「物越しではなく、唇にしてやろうか?」
と なな を見て言った。
『ぃ、ぃ、ぃいです!// 結構です!//』
顔を真っ赤にする なな の様子を見ながら宿儺は肩を揺らして笑っていた。
教室に着くと、釘崎は なな に声をかけた。
「どぅしたの、なな 、顔赤いわよ?」
『だ、ダイジョウだよ! 外寒かっただけ!』
エヘヘ、と笑いながら自分のポケットに入っていた お茶を伏黒に渡す。