第115章 熱いのがお好き?⦅宿儺 現パロ⦆
『ぅ~、寒ーい!』
ポケットに両手を突っ込んで自販機に向かう なな に、宿儺が「冬なのだから仕方ないだろう」と鼻の頭を赤くして言った。
そんな宿儺を見て、なな は『そーだね』とクスっと笑った。
自販機につくと、なな は小銭を入れた。
『野薔薇はミルクティー、悠仁はココア、恵はお茶…っと』
ピッ、ピッ、ピッ、と手早に教室待機組の飲み物を選んで、なな は宿儺に言った。
『宿儺はブラックコーヒーでしょ?』
「…あぁ」
2つの熱い飲み物をポケットにしまい、片手にもホットを持っていると、なな はニコッと笑って暖かいコーヒーを宿儺に手渡した。
『私は何にしようかなぁ♪』
少し悩んでから なな はホットのはちみつレモンを押した。
『4個も持つと熱いでしょ?』
平気そうな顔をしている宿儺にそう聞けば、「ホッカイロ代わりだ」と言って強がった。
『いやいや、あっついよね?
私両手にずっと持ってるなんて無理だもん』
そう言ってから、なな は片手を差し出して『1つ ちょうだい』と言った。
『ポケットに入れて、私もホッカイロ代わりにする♪』
なな なりの優しさに宿儺は手に持っていた飲み物を なな に渡した。
『あったか~い♪』
飲み物をポケットにしまい、自分の はちみつレモンを両手で握り込む なな 。
『先に ちょっと飲んじゃお♪』
ペットボトルを開け、1口飲むと なな は宿儺にペットボトルを差し出した。