第112章 甘えたい⦅五条⦆
ウキウキしている五条を見ると、まるで大きな子どものようで なな はふふっと笑った。
「いっただきまぁす♪」
夕飯を食べながら今日の任務の話を聞けば、1級の呪霊を祓うと言うもの。
わざわざ五条に任務を当てた辺りが上層部の嫌がらせのようだ。
「ねぇ、なな~…。
早く結婚しよー…」
五条はいつも なな にそう言う。
『まだ時期じゃないよ』
なな はいつも そう言って話を反らす。
なな は別に五条と結婚したくないワケではない。
できれば結婚はしたい。
だが、今、五条は高専1年生の担任で その1年生の中には宿儺の器の子が居る。
とても【平穏】とは言いがたい。
それを自覚しているからこそ、五条もそれ以上は言わないのだ。
『さ、ゆっくり休んで』
食後、暖かいココアを五条に差し出した。
「ありがと」
ココアを冷ましながら、ソファの隣に座る なな の肩を抱き寄せる五条。
『今日はしないよ?』
「えぇー…」
残念がる五条に、なな は五条の目隠しをズラして、五条の瞳を見て言った。
「クマ出てる。
無理してるのなんてすぐ分かるんだからね」
目隠しをそのまま首もとまで下げて なな は優しく言った。
『今日は お預け。休息も大切だよ』
ぶぅ、と頬を膨らます五条に、軽くキスをすると五条は驚いた表情をしてから満足そうに笑った。
「じゃあ今日は我慢する♪」
よしよし、と五条の頭を撫でてやれば五条は なな の肩に頭を預けた。