第105章 すれ違う想い⦅五条⦆
小さい頃、なな は いつも五条の後ろをついて歩いていた。
『悟兄ちゃん待って』
周りは大人だらけだったため、五条も なな を妹のように可愛がっていた。
なな は可愛らしい風貌と その性格で大人からも可愛がられていた。
だが、五条の六眼を狙う呪詛師によって目の前で世話人が殺害されてから なな の性格はガラリと変わってしまった。
☆ ☆ ☆
五「なな ~、昔みたいに "お兄ちゃん" って呼んでごらん♪」
『ハァ?』
明らかに不機嫌そうな声を出す なな 。
七「……なぜ五条さんが1年教室に居るのですか?」
冷静に五条に質問する七海。
五「気にすンなよ七海ィ。
俺は なな に会いに来たの」
『私は会いたくない』
プイとそっぽを向く なな 。
五「もぅ、なな ってば反抗期?」
『……うざ』
五「じゃあ またね~」
なな に冷たい態度をとられても怒るでもなく、五条は1年教室から出ていった。
七「……今の態度は、ちょっと酷かったんじゃないですか?」
『………………』
七海の言葉を無視しながら、なな は窓の外を眺めた。
⦅ 悟兄ちゃんは強くなった。
私は悟兄ちゃん みたいに強くなれなかった……。
私が居れば邪魔になる ⦆
ある日、1年生で任務に出掛け1年生 全員ボロボロな状態で帰ってきた日があった。
夏「こりゃまたヒドくやられたねぇ、大丈夫かい?」
家「ま、私が治せる範囲だから大丈夫でしょ♪」
夏油も家入も心配してくれた。