第96章 クリスマスイブ⦅宿儺ver⦆
『宿儺、今日はクリスマスイブだよ』
虎杖の左頬に話しかける なな 。
宿「くりすますいぶ? なんだそれは」
ぐぱっ、と虎杖の頬から目と口を出した宿儺。
虎「子どもがサンタさんからプレゼントもらえる日だよ」
宿「さんた? ぷれぜんと?
もうすぐ年末だと言うのに、その前にまだ騒ぐのか。忙しい世間になったもんだ」
宿儺はため息をつきながら言った。
『ねぇ宿儺は何か欲しいものは無いの??』
なな が聞けば、宿儺は「小僧の体」と言い「絶ッ対、主導権は渡さん!」と虎杖に言われていた。
そんな虎杖と宿儺の やり取りを苦笑しながら聞き流し、なな は『悠仁の体以外で欲しいものはないの?』と聞くと、宿儺は なな をジッと見た後、「…無いな」とだけ答えて消えてしまった。
自分の生得領域に戻った宿儺は、積み上がった骨の上に腰を掛けた。
宿⦅ 自分の体の無いこの状態で、なな が欲しいと言ったら、なな はどんな反応をしただろうか ⦆
宿儺はケヒ、と笑った。
*おわり*