第82章 愛情表現⦅虎杖ver⦆
無邪気という言葉を絵に描いたような人。
困ってる人が居れば放っておけないくせに、自分の困り事は抱え込んでしまう不器用な人。
それが虎杖悠仁だ。
虎杖と なな は高専で出逢った。
すでに両面宿儺を取り込み、上層部から秘匿死刑を宣告されていた。
その事は同級生の伏黒、釘崎、なな にも知らされていた。
だが、虎杖と共に過ごす時間が長くなればなるほど、虎杖の純粋さや優しさを知った。
『なんで悠仁なんだろうねぇ』
なな は釘崎に そう呟いた。
釘「虎杖は 善人の代表!みたいなお人好しだもんねぇ」
口に咥えた棒菓子を、パキン、と食べて「なな ?」と続けた。
釘「自分の気持ちには素直にならなきゃダメよ。虎杖みたいにね」
と優しく笑った。
釘崎からの助言後も、普段と変わらず1年生'Sで仲良く過ごした。
虎杖と なな の関係が変わったのは姉妹校交流会後。
少年院で伏黒の前で宿儺によって心臓を抜き取られ、死亡と報告されていた虎杖が前と変わらぬ笑顔で なな たちの前に表れたのだ。
釘崎はグッと涙を堪えていたが、なな はポロポロと涙を流した。
ゆっくり再開を祝う時間もなかった交流会。
交流会が終わってから、1年生'Sで集まった。
虎杖は少年院後から交流会までの期間で、自分がどんな事をしてきたのか伏黒たちに教え、なな たちも虎杖に自分たちの成長を伝えた。
釘崎と伏黒は わざと虎杖と なな を2人だけにし、その場を去った。
虎「黙っててゴメンな、なな」