第81章 愛情表現⦅五条ver⦆
想いとは、時に鎖のように人を繋ぎ止める。
それは良いオモイでも、悪いオモイでも。
五条悟。
サラサラな銀髪の髪、細身で長身。
誰もが目を引く存在。
黙っていればクールな印象で、でも実際は子どもっぽい性格で後輩想いの優しい人だ。
呪術師として高専に入学し、卒業後は高専経由で仕事をもらう。
なな にとって特級呪術師である五条は憧れの存在だった。
高専を拠点に活動している なな でも五条との接点は ほとんど無かった。
そんな なな と五条が接点を持つようになったのが、虎杖が両面宿儺の指を取り込んだ あの日だ。
偶然、五条とペアでの任務となり山形に出張していた。
遠方任務との事で新幹線で移動していたのだが、人見知りをしないのか、五条のマシンガントークに、なな の緊張もほどけた。
五「アハ~、やっぱ なな は笑うと一段と可愛いね♪」
リップサービスと分かりながらも、なな は頬を染めた。
任務地に着き、五条のフォローをしながら数十体の呪霊を祓う なな 。
無事に全ての呪霊を祓い、帰路につくため五条と共に歩いていると、五条のスマホが鳴った。
五「恵からだ。ちょっとゴメンね」
そう言い、電話に出て話をしている五条に、なな は "めぐみ" と呼ばれた人物が五条の恋人だと思った。
五「お待たせ~、ごめんね」
電話を終えた五条が、なな に声を掛けると なな は『いいえ』と答えてから続けた。
『彼女さんからですか?』
五「え?」