第75章 花束をキミに⦅虎杖悠仁⦆
虎「はい、なな ♪」
目の前にはキレイな花束。
『え? どうしたの??』
ニコニコしている虎杖から花束を受け取り、なな は首を傾げた。
虎「任務で出掛けたら花屋さんがあってさ、キレイだったから なな に見せたいと思って買ってきた」
花束には色々な花があり、白を基調にしているようだった。
『ありがと、悠仁、キレイだね♪』
花に詳しい訳ではないが、虎杖が自分のために選んでくれたと思うと自然と笑顔になる。
虎「あ、店に俺と同じ "イタドリ" って言うのも売ってたから入れてもらったんだ」
『へぇ、どれ??』
2人して花束を覗き込むと、おでこがコツンとぶつかった。
『ごめ』
謝ろうと虎杖の方を向いた時、虎杖の唇が触れた。
なな は花束の花よりも真っ赤な顔をした。
それを見て、虎杖は ニッ と笑い、
虎「あ、コレだ」
と1つの花を指差した。
まだ赤みの引かない なな は『へぇ』と空返事をした。
すると、虎杖の頬から宿儺が現れた。
宿「小僧、なぜ ちゃんと伝えないのだ?」
虎「オマ! 引っ込んでろよ!」
頬の宿儺を押さえようと、自分の頬に手を伸ばすが、宿儺は頬から虎杖の手の甲に移動した。
宿「なな 、コヤツはこんなだが意外と記念日?と言うものを覚えているのだ」
『??』
宿「コヤツが花束を買う時に、何と言ったか教えてやろう」
ケヒ、と笑いながら宿儺は続けた。
宿「恋人と付き合って半年記念日だから、豪華に見えるようにお願いします、だ」