第73章 かりんシロップ⦅宿儺、虎杖⦆
虎《飲んでみたい!
これから なな の部屋行っても良いの?》
『返事はやッ
《いいよ♪》と』
そう返事を返すと、あっという間に部屋の扉がノックされた。
虎「なな 、俺ェ開けてぇ」
『はーい。どぅぞ』
虎杖を部屋に上げ、手作りの かりんシロップにお湯を注いで虎杖と自分の分を作る。
ほかほか と湯気を上げるマグカップを虎杖の前に出すと、虎杖は嬉しそうに笑った。
虎「ありがと!
ん~、かりん のイイ匂い♪」
ふぅふぅしながら、かりんシロップをひと口飲むと、虎杖は「うまー♪」と喜んだ。
虎「かりんシロップって初めて飲んだけど、旨いな♪」
『良かった♪
喉に違和感ある時とかに飲むとイイんだって♪』
そう言って、なな も ひと口 かりんシロップを飲んだ。
『もうすぐ冬だなぁ、って感じ♪』
両手でマグカップを持ち、柔らかく笑う なな に虎杖は 頬を染めた。
宿「小僧ばかり なな の手作りを飲んでズルいぞ。俺とも替われ」
宿儺が頬に現れ、さすがに頬から飲ませるのも可哀相なので「少しだけだからな」と言って、虎杖は宿儺に体を預けた。
みるみる宿儺の刺青が現れ、不敵に笑った。
宿「久しいな、なな」
妖艶に口角を上げる宿儺に、なな は ドキン とした。
『はじめて作ったんだけど、どぅかな?』
頬を染めながら宿儺に そう聞くと、宿儺は ひと口、かりんシロップを飲んで「うまい」と なな の頭を優しく撫でた。
宿「うまく出来ているぞ」
『ありがと』