第73章 かりんシロップ⦅宿儺、虎杖⦆
虎「あ、かりん なってる」
虎杖、なな、五条で高専の敷地を掃除していると、虎杖が かりん を見つけた。
虎「ねぇ先生、落ちてるのもらってもいい?」
五「いいんじゃない?
何に使うの?」
五条は近くに落ちていた かりん を1つ拾うと、虎杖に手渡した。
虎「かりんって良い匂いするから なんか好きなんだよなぁ」
クンクン、と匂いをかぐ虎杖の頬から宿儺が現れた。
宿「小僧は無知だなぁ、かりん は匂いをかぐだけでは無く、シロップにすると喉に良いのだ」
五「へぇ~、年寄りの知恵袋ってやつ?」
虎「ん~、そう言えば ジィちゃんも そんな事言ってたような」
腕を組んで首をひねる虎杖に、なな は『私も かりん欲しい』と言った。
『うちの おばぁちゃんが かりんシロップ作ってくれたから作り方分かるし、甘くて美味しいから 私も かりん 好きなの』
五「そぅなんだね♪
いっぱい落ちてるから2人で分けな♪」
そう言って、五条は なな にも1つ かりん を拾って手渡した。
『いっぱい出来たら みんなにもあげるね♪』
五「なな はイイ子だねぇ♪」
よしよし、と五条が なな の頭を撫でれば、なな は『子ども扱いしないで下さい』と怒った。
かりん を漬けてから1週間。
蜂蜜の甘い香りと、かりん の良い香り。
『イイ感じ♪
《かりんシロップ出来たよ♪
これから味見するけど、悠仁も飲んでみる?》
送信、と♪』
なな は虎杖にLINEを送ると すぐに返事が返ってきた。