第72章 ぬくもり⦅虎杖悠仁⦆
その頃、伏黒も虎杖になぜ なな と付き合わないのか聞いていた。
伏「お前、なな のこと好きだろ」
虎「えっ?!」
いきなり伏黒から恋バナをされ、虎杖は声がひっくり返った。
伏「誰が見てもわかるよ。なな だって虎杖に気があるように見える。
なんで告白しないんだよ」
虎杖は伏黒を見て、視線を外してから口を開いた。
虎「俺は一応 死刑確定だからさ。
俺だって青春謳歌したいと思う時もある。
でも、それに なな を巻き込んじゃいけないと思ってる。
それに……」
そう言って虎杖は伏黒の方を向いて、眉尻を下げながら笑って言った。
虎「なな と恋人同士になったら、俺 死ぬのイヤになって死刑なんて受け入れられなくなっちまう」
伏「……………」
別の日、いつものように なな と虎杖の和やかな様子を眺める外野3人。
伏「…センセー、虎杖の死刑は取り下げられないんですか?」
五「急にどぅしたの?」
伏「虎杖は、自分の死刑が確定しているから なな と付き合わないって言ってました」
五「…へぇ…」
伏黒の言葉に五条は神妙な面持ちをした。
伏「センセーは普段から、青春を楽しめ、みたいな事言ってるじゃないですか。虎杖の死が確定である限り、虎杖は青春なんか楽しめない」
釘「先生、どぅなの?」
釘崎も心配そうに五条を見る。