第59章 眠る⦅宿儺ver⦆
If... 宿儺ver
秋の夜長。
縁側で満月を眺めながら2人で晩酌を楽しんでいた。
宿「少し肌寒くなってきたな…」
宿儺は おちょこに入っていた分のお酒を グッと飲み干し、庭を向くように体を横にし、 なな の膝の上に頭を乗せた。
『かける物を持ってきましょうか?』
"肌寒い" と言っていた宿儺を心配し、なな は言うが「良い」と断られた。
宿儺は何も言わず、目を閉じている。
なな は、そっと優しく 宿儺の髪を撫でた。
宿「何だ? 俺は猫では無いぞ?」
目を閉じたまま宿儺は言った。
その言葉に、なな はクスクスと笑い、聞いた。
『そうですね、でも撫でたくなったのです。ダメですか??』
撫でる手を止め、宿儺の答えを待つと少し悩んでから「良い」と宿儺の答えが返ってきた。
宿「なな に撫でられるのも悪くない」
宿儺が微笑んでいるように見えたが、なな は何も言わず優しく宿儺の髪を撫でた。
満月が照らす夜空と、風と共に少しずつ動く雲を眺めていると、小さな寝息が聞こえてきた。
なな は自分の膝に視線を落とすと、自分の着物を掴んで眠っている宿儺がいた。
⦅ 寝顔は普段よりも幼く見える ⦆
普段じっくり見る事のできない宿儺の顔を、なな は幸せそうに見て、頬を緩ませた。
『⦅ 本当はもう少し寝かせてあげたいけど… ⦆ 宿儺さま、風邪をひいてしまいますよ? 起きてください』
優しく宿儺の肩を叩き、宿儺を起こした。
*おわり*