第57章 鬼ごっこ⦅虎杖悠仁⦆
虎杖が枝で少し休んでいると、なな の声がした。
『悠仁~?』
まだ虎杖の姿は発見出来ていない なな はキョロキョロと周りを見渡している。
自分を一生懸命探している なな を嬉しそうに見つめていると……
伏「いけ」
蝦蟇(がま)の舌が伸びてきて虎杖を捕獲した。
釘「やりィ~♪」
御機嫌な釘崎に、なな は虎杖に謝った。
『ゴメンね、悠仁』
虎「いやいや、なな が謝ることじゃねェよ」
蝦蟇に捕まったまま、虎杖は苦笑いした。
伏「虎杖の時で良かったな」
釘「そぅね♪ 単純バカで良かったわ」
虎「何なんだよ2人とも!」
馬鹿扱いされ、口を尖らせる虎杖に、なな が『悠仁を油断させる作戦だったの』と教えてくれた。
釘「アンタ、普段から なな のこと見てると周りの声や気配に気付かないじゃない♪
だから、なな にアンタを探させるフリをして、私と伏黒で押さえ込むって作戦よ!」
フフン、と虎杖を見下ろして言う釘崎に、虎杖は顔を赤くした。
虎「え? 俺、普段からそんなん??」
伏「無自覚か…」
伏黒は鵺(ぬえ)を出して、五条に虎杖を捕まえた事を伝えた。
パ「あ~あ、オレ達で捕まえたかったなぁ」
残念そうに言うパンダに五条は「今回は1年生の作戦勝ちだったね♪」と笑った。
五「また やろーね♪」
***おわり***