第48章 看病⦅五条ver⦆
釘崎が座っていた椅子に腰を掛け直し、五条は眠る なな を見た。
五⦅ 大切な人を守れるだけの力があっても近くに居られなきゃ意味が無いんだよ…… ⦆
毎回、上の命令で遠方の出張に出掛けている五条は拳を握りしめた。
五「…ゴメンね、なな
力だけじゃなく、早く権力も身に付けるからね」
そう言って、なな の額に優しくキスを落とした。
『ん……』
薬のおかげでよく眠れた なな は目を覚ました。
いつの間にか寝返りをしていたようで、椅子に座りながら うたた寝している五条が目に入った。
『…悟……?』
夢かな?と思いながら恋人の名を呼べば、五条は ハッ と こちらに顔を向けた。
五「なな 、大丈夫?!
まだ頭痛い? クラクラする??」
質問責めの五条に、なな はビックリしながら答えた。
『頭痛いのは良くなった』
そう言って、体を起こすと めまいがした。
それを見ていた五条は慌てて なな の体を支えた。
『…ゴメン、まだクラクラするから横になってもいい?』
久しぶりに会えた五条に、なな は申し訳なさそうに言った。
五「早く横になりな」
五条は優しく なな の体を横にする。
なな は五条の服の袖を掴んだ。
『またすぐ行っちゃうの??』
五⦅ かわいー! なな の体調が良かったら襲っちゃってたかも ⦆
なな の髪を撫でながら、「どこにも行かないよ」と伝えると、なな は『良かった』と微笑んだ。