第48章 看病⦅五条ver⦆
五「なな ?!」
バタン、と なな の部屋を開ける五条に釘崎が「うるさい!」と怒鳴り付けた。
釘「薬飲んで寝たばっかりなのよ、静かにして」
五「ゴメン、ゴメン」
いつものように軽く謝り、なな のベッドに近寄る。
なな は少し白っぽい顔をしているように見える。
五「なな どぅしたの?」
釘「聞いて来たんじゃないの?
放課後の掃除中に急に倒れたのよ。
硝子さんの話だと 貧血だろうって言ってたけど、なな 朝から少し頭痛いって言ってたから、頭痛薬飲ませたの」
眠る なな を心配そうに見つめる釘崎に「野薔薇は仲間想いだね」と言うと、釘崎は照れくさそうに「親友だもん」とぶっきらぼうに答えた。
五⦅ なな は良い仲間を持ったね ⦆
目隠しで見えないが、五条は優しく微笑んだ。
釘「てか、なんで女子寮に五条先生が居るの?」
男子禁制でしょ?と釘崎に言われたが、五条は「それはホラ、僕センセーだし寮の制約関係ないし」と言った。
五「野薔薇も自分の部屋に戻って良いよ♪
僕が なな の事 看てるから」
なな のベッドに腰掛け、釘崎に言う。
釘「言っとくけど、なな は病人なんだからね!
なな に変な事しないでよね?!
いくら恋人だからって許さないからね!」
五条に そう言い、釘崎は渋々 なな の部屋を出た。
五「野薔薇は僕が病人を襲うほどオオカミだと思ってるのかな?」
釘崎の後ろ姿に苦笑しながら呟く五条の声は、釘崎には届かなかった。