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一緒に夢みませんか?[呪術廻戦]

第46章 give it back ⦅???⦆


幸せな夢。
優しく抱き締めてくれる大切な人の温もり。
嬉しくて頬が緩む。
抱き締め返そうとしたその時、大切な人の姿が急に消えた。
その人を探し、走り回るが見当たらず その場でしゃがみ込んで涙を流したー。

『…夢………?』

涙が頬を伝う感覚を確かめるように、自分の頬に手を当てる。

⦅…夢の中でも泣いてた…
抱き締められてた夢だったなぁ…
もぅ一度……抱き締めて欲しいよ………⦆

まだ夢か現実か分からない頭を回転させながら、再び瞳を閉じる。

⦅…夢の続きが見たい……
もう一度抱き締めて…⦆

夢の温もりを忘れないように、毛布を ぎゅ と抱き締める。
静かに目を閉じるが寝付けず、波の音だけが頭に響く。

『会いたいよ…………』

ポツリと呟く その声も波に拐われ、届かないような感覚に陥る。


少しずつ昇りはじめる太陽が辺りを照し出し、1日の始まりの合図を送る。

『…………』

夢の続きが見れなかった寂しさか、会いたいのに会えない寂しさか分からない感情が胸を締め付ける。
体を起こし、窓から見える海を眺めた。

「なな ー! 朝ご飯行こー!」

釘崎が部屋まで起こしに来てくれた。

『うん、ちょっと待ってて』

頬に伝っていた涙が釘崎にバレないように、できるだけ いつも通り振る舞う。

「大丈夫? 寝不足??」

移動中に何度も気にかけてくれる釘崎に申し訳なさを感じ、『大丈夫だよ、ありがとう』と答えれば、釘崎は少しだけ安心したように笑った。
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