第34章 仲間⦅五条⦆
夏「悟、さっきのはさすがに言い過ぎじゃないか? なな がかわいそうだろう」
五条の後を追い、追い付いた夏油が言った。
五「……言い過ぎたとは思ってる……。
でも、俺達がいつも助けてやれる訳じゃないだろ。
なな は優しすぎるんだ…。その優しさがいつか なな を苦しめるなら、身の危険がおよぶ前に術師を止めたほうが良いと思ったんだ」
夏⦅お前も充分優しいよ、悟⦆
夏油は何も言わず、五条の隣に座り、五条が見つめる景色を一緒に眺めた。
次の日、なな は折れた右腕を三角巾で吊るしたまま 五条のもとにやってきた。
『悟、昨日はゴメンなさい…』
申し訳なさそうに五条に言う なな に、夏油は「ほ~ら、悟も言うことあるでしょ?」と、五条の言葉を促した。
五「…………俺の方こそ ごめん…言い過ぎた
腕、大丈夫か…?」
少しぶっきらぼうに言う五条に、なな は「ありがと、大丈夫」と答えた。
夏「はいはい、これで仲直り♪」
五条と なな の間に入った夏油は、五条の右手と なな の右手を合わせて、握手をさせた。
五「傑……、なな 折れてるから痛いと思うぞ」
夏「ん?」
握手させている夏油は、五条に言われて なな を見ると、なな は痛みに耐えながら冷や汗を流していた。
夏「あ…。ゴメンね、なな」
テヘ、と笑って誤魔化す夏油。
その様子を少し離れた場所で見守っていた家入は微笑んだ。
***おわり***