第32章 添い寝⦅虎杖悠二⦆
秋の天気は変わりやすい。
先程まで晴れていたかと思ったら、あっという間に黒い雲が空を覆い、土砂降りになった。
激しく雨音を立て、遠くの方でゴロゴロと雷の音も聞こえる。
放課後、恋人である虎杖の部屋で他愛も無い話をしながら過ごしていた なな 。
虎「スゴい雨だなぁ、雷も鳴ってるし」
窓の方を見ながら虎杖が そう言うと、 また雷の音がした。
その瞬間、なな は ビクッ、と体を震わせた。
虎「?? 大丈夫か、なな ?」
『雷……キライ……』
なな は言葉を続けた。
『…昔、1人で留守番してる時に雷で停電になったの………それ以来、雷 キライなの』
虎「そっか、でも今は1人じゃないから安心しろ♪
なんだったら今日泊まってく??」
心細そうな表情をしていた なな を心配した虎杖が そう言うと、なな は、パッと明るい顔をして『いいの??』と聞いた。
虎「おう♪」
☆ ☆ ☆
いまだに雷が鳴り続く夜。
虎「なな ベッド使って良いからな」
『悠二はドコで寝るの??』
虎杖の部屋には予備の布団なんて物はなかった。
虎「ソファで寝るから大丈夫!」
そう言って、ソファに横になろうとする虎杖だったが、ピカッ、と外が明るくなったかと思ったら近くで雷の音がした。
あまりの音の大きさに、なな は とっさに『一緒に寝よ!』と言っていた。
虎「へ?」
『雷の音が怖い…』
虎杖は「狭くなるよ?」と確認すると、なな は『大丈夫』と言った。