第1章 あなただけの⦅宿儺⦆
なな side
いよいよ輿入れの日が来た。
私が家を出て少しした時ー。
宿儺が現れた。
宿「その娘をこちらに渡せ」
父「誰だ!」
母「あなた、腕が4本ある! 都で暴れている両面宿儺よ!!」
宿「ケヒッ。俺の事を知っているなら話は早い。
さぁ死人を出したくなければ娘を寄越せ」
宿儺は私に手を差し伸べた。
私はその手を取るように、宿儺と私の間に盾のようになっていた親の前に出た。
父「なな! 行くな!」
『ごめんなさい…』
宿儺は私の手を取り、片方の2本の腕で ギュッと抱き寄せた。
宿「娘の事は忘れろ。もし娘を取り戻しに俺たちの事を探るような事があれば…
その時は、この村 皆殺しにしてくれる」
父「ッ!!」
『父様、母様…
こんな形になってしまって ごめんなさい…』
そう伝えると、母は涙を流しながら その場に崩れ落ちた。