第2章 レオ=クロフォード
久振りに2人そろってお休みが取れたある日。
私はレオと一緒に城下に来ていた。
城の中でも官僚は勿論、騎士団、メイドまで顔が広いレオ。それは城下に出ても同じだった。
街人「レオ!久振り‼︎」
プリンセスを物珍しく見る人の視線とは違う、親しげな挨拶にレオも笑顔で応える。
商店が立ち並ぶ通りに入るとレオに女の人が駆け寄って来た。
女「レオ!」
レオ「おー、マリアちゃん久振りー」
名前を呼ばれた女の人はレオの腕を取り微笑んだ。
マリア「私の事なんて忘れちゃったと思った。もうお店には来れないの?」
拗ねるような表情を見せるとレオに身体を寄せる。
キャリー(…やだ…)
胸がざわつくのがわかった。
しかし、レオの少し後ろにいた私に気がつくとぱっと手を離し私に深々と頭を下げる。
マリア「大変失礼致しました。プリンセス。」
キャリー「…そんな…」
マリア「じゃあね、レオ」
マリアが微笑み去って行った先には女の人がお酒の相手をする居酒屋があった。
レオだって特定の恋人がいなければこういう所に出入りしてもおかしくない。
そう自分に言い聞かせる。
レオ「行こうか?」
私は心の闇をレオに悟られないように微笑んだ。
そしてマリアが去って行ったお店を振り返ると店の扉の前でこちらを見ている彼女の姿が見える。
その視線で気がついてしまった。
あの人…レオが好きなんだ。