第18章 高杉晋助《平和の象徴》※キャラ崩壊注意警報
「可哀相なことしないでよ」
○○は膨れっ面で振り返る。
幕府や世の中相手のテロ行為には加担するが、思想も何もない生物に乱暴をすることは許せない。
「人の女にちょっかい出そうなんて奴ァ、誰が相手だろうが容赦しねェ」
鳥類だろうが、魚類だろうが、両生類だろうが。
○○に好意を向ける輩は敵と見做す。
人間ならば今のように逃さずに殺している所だ。
「何それ。ヤキモチ? ハトに?」
「ハトは執着心が強いからな。痛い目に遭わせておかねーと戻って来ちまうだろ」
○○は目を丸くする。
高杉がハトの生態について詳しいというのは奇怪だ。
「詳しいね、ハトに」
「昔どっかのバカがいろいろほざいてたからな」
8月10日生まれのハト野郎は人間が落とした餌を貪る薄汚い野郎だとかなんとか。
「ハトが平和の象徴っていうことは知ってるけど」
8月10日は語呂合わせでハトの日。
平和の象徴の日は、平和をぶっ壊そうとしている人の誕生日である。
高杉は○○の腕を引き、ベッドへと押し倒すとその上に跨った。
「真っ昼間から何してんの」
「もう一つ、ハトの生態教えてやるよ」
一年中繁殖期、発情期である。
「これは俺の生態か」
「何言ってんの、この変態」
「仕方ねーだろ」
高杉は表情を緩めた。
「○○みてーな女が傍にいりゃ、理性なんざ利きゃしねェ」
高杉は○○の耳元で囁いた。
(了)