第18章 高杉晋助《平和の象徴》※キャラ崩壊注意警報
扉を開けた瞬間、つぶらな瞳と目が合った。
鋭いくちばしが○○へと向いている。
○○は眉間に皺を寄せる。
そのくちばしが開き、言葉を発した。
「クックー」
ハト。ハト目ハト科。
公園などで餌に群がる姿を見かける馴染みの深い鳥。
平和の象徴とされる鳥。
「……平和だわ」
平和ではあるが、異様な光景だ。
彼は……メスかもしれないので、あるいは彼女は、平和とはかけ離れた人物の頭に乗っている。
高杉は足と腕を組んだ状態で壁に寄りかかり眠っていた。
その頭の上に、ずんぐりとしたハトが座っていた。
《平和の象徴》
○○は静かに扉を閉め、船室へと足を踏み入れた。
高杉の頭に鎮座してくつろぐハトは首を左右に傾けている。
逃げる様子は微塵も見せない。
窓が開いている。
ここから侵入したのだろうが、こんな港に一羽で飛来するものだろうか。
窓外には青い海が広がっている。
波は穏やかだが、立っていても体に感じるくらいの揺れがある。
潮の匂いと、柔らかな熱風が頬を刺す。
暑い。冷房は入っているが、窓が開いた状態では室温はちっとも低くはならない。