第1章 revenge1
朝目が覚めると、目の前に美しく整った彼の顔があって、私を抱き締めて眠っていた。
トイレ、行きたいな・・・。
彼を起こさないように、ゆっくりと彼の腕から抜け出した。
ボロボロになったタオルを握り締めて、寝ている。
「可愛い・・・。」
すると、握り締めたタオルを離して、私の手を握った。
「起こしちゃった?」
「どこ行くんだよ。」
「トイレ、行きたくて・・・。」
そう言うと、するりと手を離した。
「早く戻ってきて。」
またタオルを握り締めて目を閉じる。
こうして寝ていると、ただの中学生だ。
彼はどこか大人びていて、中学生には思えなかったけど、この頃の私と同じ中学生なんだと思えて、嬉しくなる。
彼の言う通り、急いでトイレに向かう。
マイキーさんの顔に見とれて、間に合わなくなるとこだった・・・。
そういえば私、昨日そのまま寝ちゃって・・・。
制服もシワになるから、脱いで寝ろって言われたけど・・・あそこはキレイになってるし、服も着てる。
これ、少し大きい・・・。
マイキーさんのかな・・・。
小柄だと思ってたけど、男の人だ。
そうだ、早く戻らないと・・・マイキーさんに怒られる。
急いで部屋に戻ると、こちらに背を向けて、丸まって寝ている。
近付いて、そっと髪を耳に掛けながら、頬を撫でてみる。
その瞬間、目が開いて、目が合った。
「あっ!」
手首を掴まれて引っ張られる。
彼の上に乗ってしまった。
「あ、ごめん。痛くなかった?」
「オレがこうしたんだよ?」
寝起きのくせにどうしてそんなに、色気たっぷりなの。
「あ、服と、あと・・・キレイにしてくれてありがとう。それと、途中だったのに、ごめん・・・。」
「ううん、良過ぎて落ちちゃったんでしょ?よく寝れた?」
「なっ・・・!うん・・・。」
朝からそんな意地悪しないでよ。
突然、携帯が鳴った。
「マイキーさん、鳴ってるよ。」
「あぁ?誰だよ。」
私をいじめる邪魔が入ったからか、不機嫌になった。
相手、可哀想・・・。