第1章 R h p l ss
ぽたぽたと滴る水滴の音、見覚えの無い天井
見覚えの無い匂い、あぁでもこの匂いは
・・・優しい匂い。
目を覚ますと私の左腕には点滴が施されていた。
ここは病院なのだろうか。
だけれど病院と言うにはあまりに豪勢な一・・・
まるで個人の部屋のような・・・ぐるぐると考え事をしていた最中
「目、覚めたか」
聞き覚えのある声が部屋に響いた。
声の主を見やると先程の黒髪美人がそこにいた。
「先程はありがとう、ございました、黒髪美人さん。」
思うように声が発せられず、自身でも驚いたが
何とかお礼が言えた。
「黒髪美人?ハ?何言ってんだてめぇ」
一気にその場の空気が凍り付いたように思った。
先程までとは打って変わって鋭い眼。
少し離れた所に居た黒髪美人さんは
私が横たわっているベッドまでジリジリと近寄ってきた。
「オレは佐野万次郎。男だ。」
「!」
やってしまった。
でも、綺麗な人だと思ってしまった事に変わりはないのだ。
「ごめんなさい、あまりに綺麗な方だったのでつい・・・」と口篭りながらもやはり少し気恥ずかしくブランケットで顔を隠した
佐野さんは呆れた様子で
私が被っていたブランケットを剥がし
私に覆い被さった。
「うるせぇ、殺すぞ」
そう言って私に唇を重ねた。