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《ヒロアカ短編集》角砂糖にくちびる

第23章 鳥かごは無色透明《前編》 ◉鷹見啓悟※



バンッと音を立ててテーブルに叩きつけられた週刊誌、今日の日付が書かれた鮮やかな表紙を項垂れた彼が乱暴に捲っていく


ちらりと目に入った白黒の見出しには【熱愛】の二文字、その下の【か!?】だけがとても小さく印字されていた



「あ、お湯沸いたから先にお茶淹れるね?」

「俺もうダメです、泣きそう」

テーブルに突伏した彼の腕がだらんと垂れて、額をがんがんと打ちつける音がする
紅茶のカップを二つセットしながら私は苦笑を漏らした



「また撮られちゃったの、?」

人気者は大変だね、目線を落として茶葉をポットに入れていく
スプーンで掬い上げると広がった爽やかな香り、るんるんとケトルに手を伸ばした私の後ろで大きく息を吸う音がした




「俺じゃなか!!!」


「わっ、びっくりした・・っ」


高速で振り下ろされた人差し指がトントントントンとモノクロ写真を何度も叩いている
凄まじい剣幕に恐る恐るテーブルに近寄ると、彼が力なく誌面を差し出した



「この小さい記事、?」

週刊誌後半の小さな小さな記事、有名人たちの疑惑を匂わせるような写真が一緒くたに並べられたそのページに私は目を凝らす




ー 雄英「伝説」の教師
  イレイザーヘッドに長年の恋人か! ー


またもや小さく印字されている「か!」に思わず吹き出した私を、啓悟くんが思い切り睨んだ



「相澤先生って恋人居るんだ、知らなかった」

「ああああ撮られとる!俺じゃない男と!」





「え?・・・・え???」


確かに、言われてみれば私、かもしれない、小さな小さなその写真にもう一度目を凝らす
髪型は私のような気もするけれど、あまりに小さな写真に粗い画質、目元に引かれた黒線も相まって、自分だと断言できない気もした
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