第15章 お決まりでしょうか◉轟END
カーテンの隙間、差し込んだ朝日の眩しさに目を覚ます
いつも寝ている位置では浴びることのない光に気づくと頬はすぐに熱を持った
「しょ、うと、くん」
離さないとばかりにしっかりと絡められた脚に苦笑が漏れる
目の前で寝息をたてる彼からは、昨晩の激しさが全く感じられないのだから不思議だ
「ん・・、めぐ」
薄く目を開けた彼はふにゃりと甘く微笑んで、優しく私を引き寄せると口付けの雨を降らせる
「・・そろそろ起きよっか、」
シャワー浴びてくるね、そう言いながら起き上がりかけた身体に伸ばされた腕は、有無を言わさぬ力であっという間に私をシーツへと連れ戻した
「・・もういっかい、」
「え、私そんなに体力な・・っ」
「シてぇ、・・だめか?」
きゅるきゅると音が出そうなその表情、まんまと言葉に詰まった私をあっという間に組み敷いた彼の口角がゆっくりと上がっていく
「ちゃんと、優しくするから」
「・・ぜったい、うそだもん・・!」
「反省してる」
疑いながらおずおずと首に腕を回すと、申し訳なさそうな顔から発される謝罪の言葉たちが私の身体を気遣った
「今日はめぐを独占できるんだな」
「もう、これからずっと、だよ・・!」
そう言うと彼は幸せそうに目を伏せて、またすりすりとその頬を寄せる
街中で目にするクールな表情の広告を思い出して、あまりの違いに笑ってしまいそうになった
「・・一日中、抱いてもいいか」
「やっとデートできる、って昨日言ってたのに?」
「まいったな、選べねぇ・・」
眉間に皺を寄せて真剣に悩む表情に思わず吹き出すと、彼はくすぐるようにゆっくりと脚を絡ませる
「おれの、なんだな」
後ろから回された腕、しんみりとした声が耳元で響いて恥ずかしさに身を捩ると、大きな手が愛おしそうに私を抱き締めた
「あとで風呂場でもシていいか」
「もう・・っ!」
「いつから一緒に住んでいいのか、教えてくれ」
反省なんて全くしていないことを痛感するまでたった数秒、甘ったるい口付けを受け止めながら私は合鍵の保管場所に想いを馳せたのだった