第4章 ちぎり
「あんたはまた、そういう適当なことを…!」
(この人は仲間って感じじゃなさそう
それに京って鎌倉とは違う場所で働いてるのかな)
「そして玉藻っち!
久しぶり。相変わらず美人だねぇ」
「やめてもらおうか……
お前に褒められるとしっぽの毛が逆立つ」
(玉藻のことも知ってるの?)
「あ、あのこの人は…?」
「陰陽師、安倍泰親
途中から話は聞かせてもらったよ
宜しくね
……狐憑きの姫君」
『よ、宜しくお願いします』
(阿部……?まさか総理大臣の!
…じゃなくて安倍晴明で有名な陰陽師?)
「宜しくしなくていいぞ
俺を殺生石に封じ込めたのはコイツだ」
『うぇぇ!?
ていうか陰陽師ってそんなことも
できるんですね……すごい』
(私にもそんな力あったらなぁ)
「一応、天才って呼ばれてるからね
泰親殿は」