第19章 陰陽師助手記録帳参

祖父直伝背負い投げを
かましてしまった



（穏便にと思ったのに）


このパターンだと



「ってめー！
女のくせに何してくれてんだ」


「っすげ、」

「おい！関心してる場合か！」


（こうなるんだよなぁ）



こういう輩は逆ギレして
余計に神経を逆撫でしてしまうのだ


（優しくしてやるなんて
嘘じゃない）



『っ』



男達はおもむろに
懐から小刀を取りだした


「もういい
一旦痛い目みせてから
襲ってやるよ！」


（こうなったら
同じ手を使うしか）



この人数、
獲物を持ち興奮した相手を対象に
あまりやったことがないが
やるしかない



が構えると



「祭りに乗じて女に乱暴をするとは
随分と罰当たりだな」



『！』


どこからか静かな声が響いた





（この声は）



「誰だ！！」



次の瞬間
木の上から何者かが飛び降りる



「こちらへ」