第10章 護衛
仕事の合間
白雪はゼンに時間が出来たとあかねから聞き
城の中庭でゼンと2人で話していた。
「じゃあゼン
わたし行くね」
「あぁ、またな」
そう言って手を振るゼンに手を振り返し、白雪は小走りで薬室へ向かった。
「白雪どの!
お疲れ様です」
途中すれ違う衛兵が挨拶してくれたので、白雪も
「お疲れ様です!」
と声をかける。
少し遠回りをしつつ、小走りで移動する白雪だが、途中くるっと振り返った。
(んー・・・)
たっ・・・
「ちっ・・・走りやがって
気付いたのか?」
物陰にいた男がそうつぶやくと、手に持っていた紙にメモを書き、フィッと口笛を吹いた。
そして、メモを入れた筒を兵の外へ思い切り投げたところを・・・
「取った!」
ゼンが木から降りて、筒をキャッチしたのだった。