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BLEACH 【短編集】

第2章 一緒に居りたい


「はぁ?アホなん?」
「彼氏に向かってアホなんとはなんやァ、華!」
「ああごめん、ハゲ真子。」
「酷なってるわ!」

 藍染との決戦も集結し、晴れて五番隊の隊長となった平子真子であったが、副隊長に指名した人物になぜか悪態をつかれていた。

「雛森副隊長がおるやろ。」
「やから、桃には了承得とるって。」
「そういう問題とちゃう、雛森副隊長に失礼やと思わんの?」
「お二人とも、やめてください。華さん、私は全然大丈夫ですから。むしろ実力では華さんの方が副隊長に相応しいですし…。」
「ほれみぃ、華。」
「うっさいハゲ。雛森副隊長、私にはみんなを貴女のように上手くまとめる力はありません。」
「オイ、今さりげなく暴言吐いたぞ。」
「華さんが嫌だと言うなら、無理やり押し付けるわけにもいきませんよね…。後は平子隊長と話し合ってみてください。」
「ええ、分かりました。」

 そう言って小柄な副隊長は部屋を出て行く。後に残された二人の内、最初に口を開いたのは男の方だった。

「なァ、華。副隊長になるんはそんなに嫌か。」

 先ほどとは打って変わって真剣な声音に華は一つ嘆息し、正直に答える。

「真子、今隊長やってるやろ。」
「?おぉ。」
「忙しない?」
「まァ、そら隊長やからな。」
「副隊長は、隊長の次に忙しいやろ?」
「…間違いないな。」
「二人とも隊長格なってしもたら…その、時間…とれへんやん。」
「…。」
「あー!やから言いたくなかってん!ニヤニヤすんな!ハゲ!アホ!」
「そーんな顔で言われても、可愛いだけや。」

 そうして華は赤くなった顔を覗き込まれ、流れるような動きでそのまま唇を奪われた。

「…ちょっと、そんなんで落ちるなんて思わんといてや。」
「何の話や?俺はただ彼女を可愛がってるだけやで。」
「…ハゲ真子。」
「おう、そんなん言えんのも今の内や。その代わり、帰ったら覚悟せぇや。」
「エロ河童。」
「オイ、それはちゃうやろ。」

 それから約3か月後、五番隊の六席がいきなり副隊長に就任するという異例の昇進があった。それから五番隊の隊長室では事あるごとに繰り広げられる夫婦漫才が名物になったのだとか。






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