第43章 Requiem 場地
でも俺の最後の願望は、
わりとすぐに叶ってしまった。
思わぬ形で……
「は……ラン…なんつー顔してんだよ…」
「けい…すけ…」
俺の顔にランの涙が零れ落ちたのが分かった。
「約束…守れなくてごめんな」
「やだ…守ってよ!破ったら許さない!」
「ふ……幸せになれよ… ラン」
「や、やだあ!圭介いないと幸せになれないよ!」
俺の手を強く握ってきたその手を
もう俺は握り返す力がない。
「なれる。七転び八起きだろ」
「っ!!圭介ぇぇっ!」
ランの涙がボタボタと落ちてきて、
俺の目の中に入った。
それが、目尻を伝ってこぼれ落ちて行く。
何度も…何度も…。
へぇ……そんな顔して泣くんだな、
ラン…
お前の泣き顔にも癒される俺って、
変か…?