第29章 rapture
「タケミチくんはなんて書いたの?」
「えっ、ヒナ!えっとほら人に見せたら叶わなくなるって言うじゃん?」
タケミチは顔を真っ赤にして慌てて隠してしまった。
「え!うそ?!私今めっちゃ見せちゃったじゃん!」
「見せろよタケミっち!」
「そんな話聞いたことねーぞ?!見せろよ!」
「だっダメダメ!!っ!あああー!!」
その勢いで、なぜだかその絵馬が吹っ飛んでいってしまった。
「…ん?なんだこれ」
「ダメー!!」
「タケミっち?」
「千冬?!ぺーやん君?!
そ、それ返して!!」
ポイッ
「ああああ!!ひでえ!!なんで投げんだよ!」
「つい反射的に…。
あ!ランさん三ツ谷くん、お疲れ様っす!すっかり良くなったんすね!」
1人絵馬を追いかけていくタケミチを無視して、千冬はランたちに笑いかける。
「うん!千冬も元気そーでよかったぁ!
良平は…相変わらず派手な着物だねぇ…」
「かっけぇだろ?それより向こうに皆いるぜ?」
ぺーやんについて行くと、
万次郎に絵馬を拾われてあたふたしているタケミチとその周りにはドラケンやエマ、スマイリーたちもいた。