第23章 rebel
ランは近くの公園のベンチにひとまず横になった。
柚葉が付き添ってくれていて
濡らしたタオルで頭の血や、腕の傷を拭ってくれた。
タケミチのことは八戒に任せたらしい。
「ごめんね、ラン」
「いや…柚葉が謝ることじゃないよ」
まだ頭がボーッとする。
打ちどころが悪かったらヤバいことになっていたかもしれないと思った。
それにしても悔しすぎて腸が煮えくり返りそうだ。
「それより柚葉は殴られたとこ大丈夫なの?」
「あー私は全然平気。慣れてっから。」
「薄々思ってたけど…やっぱり兄貴からDV受けてたんでしょ?相談してくれれば良かったのに」
その言葉に、柚葉はハッとしたように目を逸らした。
「だって…そんなこと言ったらあんた…絶対暴走すんじゃん」
「はは…確かにそれは否めない。」
「あいつホントにやべえ奴なんだよ。
わかったでしょ?」
「…うん…。悔しいなぁー。
万次郎だったらどーだろなぁ…」
はぁーとため息を吐くランの手を柚葉が握った。
「でも凄かったよラン。
あいつとあそこまでやれるなんてね。
それに、私のためにキレてくれたの嬉しかったよ」
「だけど…八戒が黒龍に……」
私があそこで大寿を打ちのめしてさえいれば
こんなことにはならなかったのに…
また頭に血が上ってクラクラしてきてしまった。