第16章 rational
深夜だというのに目の前でパフェを嬉しそうに無心に食べまくっている万次郎に、三ツ谷は苦い顔をする。
その万次郎の隣には、チビチビとショートケーキをつついているランがいる。
同じ痛みを抱えているはずなのに、この温度差は一体なんなのだろうと思いながら、三ツ谷はアイスティーを飲んだ。
「なぁ…マイキー…」
「……バクバク」
「なぁ…ラン…」
「……ペロ…モグ」
「はー……」
しょっちゅうこの2人の面倒を見ているドラケンの心中を想うと思わずため息が漏れた。
この2人の機嫌をとるのは、妹のルナマナよりも難儀な気がした。
とりあえずヤケ食いさせときゃいいのかな…
そんなふうに思いながらふと窓の外を見ると、
真剣な顔をして颯爽と早歩きしていくタケミチが見えた。
あいつもいろいろ大変だな…
つぅかなぜか俺の隊に入っちまったし…
あいつの面倒見るのはこの2人と同じくらい大変な気がする…
まぁなぜか…
3人ともどこか憎めないんだけどな…。
「んー!パフェおかわりー!!」
「は?!マイキー…
こんな夜中にそんなやめとけよ。体に悪ぃぞ…」
「いーじゃん。相変わらずお兄ちゃんだなぁ三ツ谷は」
はははと笑う万次郎に少しだけ安心する。
ちょっとは機嫌治った?かな…
でもランは……