第56章 窮地を救うは誰の手か
(姫目線)
この地にやってきて1週間が過ぎた。
小屋を見つけた次の日、探索に出かけて戻ってきた信長様は『未開の地のど真ん中に居るようだ』と言った。
見覚えのない地形が広がっていて、人っ子一人おらず、北国に居るらしいことしかわからなかった。
幼い龍輝も居るし、蘭丸君の頭の怪我もある。
やみくもに小屋を離れないほうが良いと言われ、小屋に留まった。
幸い秋の実りが豊富で、川からとれる魚も大きく太っていて、食料の心配をせずに済んだ。
晴れた日の日中は日差しに暖かさを感じるものの、日が傾くと途端に冷え込んだ。
蘭丸君が大量の干し草を用意してくれて、夜はそれに埋もれるようにして4人でくっついて眠った。