• テキストサイズ

☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第50章 絶対絶命


――――
――

信長が消火を待っている間に雨は弱まり、炎は歓喜したように勢いを強めた。

それは焼き尽くすまでは消えない地獄の業火のようで、消火にあたっている者達を後方に退けた。




寺の中では信長が咳こんでいた。

水で濡らしたはずの身体や外套は炎にあぶられて完全に乾き、煙や熱気で喉を傷めてしまった。

蘭丸を支えている腕が咳き込むたびに大きく揺れ、額や手の甲に玉のような汗が浮かんでいる。


(この命、ここで尽きるか…?)


蘭丸を腕に抱いたまま倒れた。
身体の下にあたっている瓦礫が熱い。もうすぐこの場所にも火が回るだろう。

だが死ぬその時まで諦めるつもりはない。
逃げる手立てが出来た時に動けるよう体力は温存してある。

呼吸のたびに喉がひりつくように痛み、それを逃すために一度目を閉じた。


フワ……


ふとこの場にそぐわない涼やかな空気が頬を撫で、目を開いた。



信長「っっ!!?」





そこに







星屑をまとった女の後ろ姿があった。





/ 1735ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp